〜LINK〜繋がり〜〜





「はぁ・・・・」

青空広がる丘の上から一人の少女の溜め息が聞こえた
夢月 彩
それが少女の名前

「どーして、こうも人の心とは正反対の空が広がるかねー」

空を見上げつつ、その空に対して愚痴をはく
外見からすると17,8歳くらいだろうか
ジーパンにパーカー
年頃の子にしては控え目な感じだ
それでも整った顔立ちをしており赤みのかかった髪もどことなく可憐な雰囲気を醸し出している
また、かけてるメガネの効果か知的にも捉えられる
まぁ、そんな外見の話なんて本人にはどうでも良いのかもしれない

「ったく、この空もあの空も嫌いだね」
「そー、嫌わないで貰いたいなぁ」

どこからとも無く声が聞こえた
いや、彩には分かっていた
どこから声が聞こえてくるかも
そして、この声の人物も

「なに木陰に隠れてるんだ、さっさと出てこい」
「女の子はもっと愛嬌良くなきゃ」
「私に愛嬌?
 タチの悪い冗談だ」
「そーかな、笑った彩ちゃんもかわいいと思うよ」
「気安く呼ぶな」
「僕と君の仲じゃない」
「だれが仲だ?」
「もー、照れちゃって」
「どうでもいいからさっさと出てこい」
「急かされなくとも出て行きますって」

彩のすぐ後ろの木陰からふらーっと一人の人物が出てきた
それは彩と同じ位の歳の少年だった

「で、何の様だ?」
「君に会うのに用が無きゃいけないかい?」
「少なくとも理の管理者、七瀬 空には必要じゃないか?」

七瀬 空
そう呼ばれた少年は照れくさそうに彩に話しかける

「君と会う時は、僕は理の管理者ではない
 ただ一人の男、七瀬空だよ」
「ふっ、男ときたか」
「駄目かい?」
「駄目だな、私が理の探求者で君が理の管理者である限りな」
「相変わらず固いね」
「性分だからな」

つい先ほどから会話に出てくる理の管理者、探求者という言葉
これはおよそ普通に生きているれば関わり合いの無い言葉だ
二人の言う理とは世の中の理
つまり、世界の心理と言うわけだ
それを一般ではアカシック・レコードとも言う
そして、空が言う管理者
それはアカシック・レコードが管理者以外の人間に漏れるのを防ぐ者の事だ
理をアカシック・レコードと呼ぶように管理者の事を抑止力と呼ぶことがある
最後に彩の言っている探求者とは字の通り
アカシック・レコードが何たる物かを追い求めている者の事だ

コレだけで分かるように通常、管理者と探求者は合間見えること自体無い

「お前はいつも何故私にちょっかいを出す?」
「何となくって言ったら怒るかい?」
「怒りはしないが君の額に風穴が開くだろうな」
「恐いなぁ、冗談だよ」
「だろうな、お前はいつでも狂言ばかりだからな」
「でも、狂言も必要さ」
「限度と言うものがあるのを知っているか?」

通常ではありえない組み合わせだが本人達には関係ない
軽口を言い合う気の知れた友人
お互いの認識はそんな物だ
最も、空は多少違うが

「で、どうしたんだい?」

尋ねながら彩の隣に腰掛ける空

「座って良いと言ってはいないんだがな・・・・」
「まぁまぁ、二人が一緒の時間なんて少ないんだから」
「多かったら私は疲れるけどな」
「それで、何があったのさ?」
「『何』とは何だ?」
「とぼけないでよ、こんな所で溜め息はくなんて君らしくないよ」
「私らしさなど君に分かるのかい?」
「一応、世界で二番目に君を良く知っているからね」
「ほぅ、一番目は?」
「それは君自身じゃないのかい?」
「相変わらずの口達者だな」
「さて、ちゃんと話してもらうよ」

最早、上手く言い逃れで着ないと悟ったのか
彩は思いのたけを話し始めた

「別に大した事じゃないさ、ただな、人の繋がりって何だって思っただけだ」
「人の繋がり?」
「こう孤独やってるとね、時折人が恋しくなる時があるんだ」
「へぇ、珍しいね」
「うるさい、だから話したくなかったんだ」
「でもさ、君は孤独じゃないと思うよ」
「僕がいるなんて言ったらこの崖から突き落とすぞ」
「んー、先手を取られたね」
「全く、まぁ、繋がりなんていつかは自分を縛るものにしかならないし良いんだけどね」
「それは違うよ」

先ほどまでとはうって変わってその表情は真剣そのものだった

「確かに僕らは人に理解されにくいと思う
 だけど、繋がりなしに生きれる人間なんて居ないよ」
「お得意の哲学か?」
「まぁね」
「けど、私らは所詮孤独な生き物だろ」
「違うね、孤独な人間なんて居ない
 いや、居ちゃいけない」
「だけど、私達の事が他人なんかに理解できるのかい?」
「理解してもらう必要なんて無いよ」
「はぁ?」
「お互いの事が分からなくてもいいじゃない
 ただ、同じ好きな事を話し合って
 バカな事言いあって
 それだけで繋がりって言えない?」

ただ、圧倒されていた
最早、言葉を返す事すら忘れていた
空の言う考えなんて彩にはなかった
いや、考えもしなかった
確かに彩は孤独を好んでいた
だが、その半面でくだらない事でも話し合える相手を欲していた
そして、それを言葉に出来なかった

「ったく、空なんかに励まされるとはね」
「ふふっ、お役に立てて光栄です」
「全く、そんなこと思ってもいないだろ」
「いや、実は凄い思ってたりもしますよ」
「本当か?」
「さぁ、どうでしょう?」
「ホントにつかめない奴だな」
「それはお互い様じゃないですか?」
「まぁな」

彩の表情にはどこか吹っ切れた感じがあった
信頼や理解を追い求めるからこそ掴めなくなっていた繋がり
だが、繋がりとはもっと簡単な
そう、同じ価値観を持つ
それくらいで繋がるものだ
お互いを深く理解する事も大切
だが、同じ目標を持つ者
同じ価値観を持つ者
そして、同じだからこそ出来る話
それこそが人と人が繋がる事の意味ではないだろうか

不意に彩は立ち上がり来た道を歩き始めた

「どこ行くんですか?」
「さぁね、それは風に聞いてくれ」

振り向きもせずに言い放つ
いずれまた会う
そう思うからこそ振り向かなかった

「そうですね・・・・それでは私も風頼りにどっか行きますか」

彩と空、お互い歩み道は違う
だが、共通する道もある
その時はお互いの共通の話が出来る
それが繋がり

それが・・・・人の輪


多くの人間と会うだろう
この先も
その時に“同じ”を持つものが居れば話せば良い
そうするだけで繋がりは出来る
その繋がりは他愛ないものかもしれない

それでもいつの日にか大切なものになる

人はそう信じて今日も生きている






繋がりを求めて・・・・・





繋がりを深めて・・・・・






今日も生きている・・・・・













〜あとがき〜
こんにちはヘボ作者の権化と言われているSTaY*Dreamです
この度はDream Companyと相互リンクしていただき誠にありがとうございます
さて、他のサイト様を覗いて見るとなにやら相互リンクお礼絵みたいなのを見かけます
そこで私も絵を描いてみようと奮起


下書きで断念

いや、人様に見せれるものじゃないですよ!


と、私の話はどうでもいいですね
さて、このLINKで出てくる人物
夢月 彩ちゃんと七瀬 空くん
この二人はDreamCompanyのマスコットチャラなんですよ
オリジナルの短編とかではそのうち出しますw
と言うか出したいです

いやー、久しぶりに真面目な物を書いて頭が・・・・


それでは長くなりましたがご拝読ありがとうございました
そして今後もSTaY*Dream並びにDream Companyを宜しくお願いします






こちら、STaY*Dream様のサイトです。
素敵な小説ばかりですのでぜひ行ってみてください。



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